【日本ハム】新庄監督がユニークな戦術で試合を盛り上げる プロ野球タイ記録の1試合10投手を投入しドロー

日本ハムの新庄剛志監督(53)は、プロ野球のタイ記録である1試合に10人の投手を起用し、今シーズン初の引き分けを達成しました。先発の山崎投手が5回無失点で降板し、好調なブルペン陣がリレーして延長12回へ。生田目投手が右足を痛めた際、最後のリリーフ玉井投手が試合を締めました。野手も全力で戦い、最後にベンチに残ったのは田宮選手のみで、総力戦で首位オリックスとの3連戦を1勝1敗1分けで終えました。
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首位オリックスとの熱戦は延長12回まで続き、ドローとなりました。延長12回に生田目投手が一塁ベースカバーに入る際、右足を痛め緊急降板。ブルペンに残った最後の投手、玉井が急遽登板しピンチを切り抜けました。この試合での10人の投手起用は、2022年9月19日のソフトバンク戦以来6度目のプロ野球タイ記録で、チームとしては1974年9月29日の南海戦以来51年ぶり2度目の“総動員”です。
ベテランの宮西投手は延長10回、1死一、二塁のピンチで登板。満塁とされるも、森選手を空振り三振、頓宮選手を捕邪飛に打ち取り切り抜けました。新庄監督は「素晴らしかったね」と称賛。宮西投手は「そこが自分の役割。結果を出せて良かった。1人ランナーが出ても、監督が“OK、OK”ってジェスチャーしてくれていたので切り替えた。思い切ってやった」と振り返りました。
11回は鉄腕からバトンを受けた福谷投手。先頭の中川選手の打球が右前腕部を直撃するも続投。「宮西さんの素晴らしい投球を見て刺激を受けた。気持ちだけで乗り切った。後は捕手の伏見に任せて腕を振った」と語りました。
最終回でのアクシデントを受けての新庄監督のユニークなプランが、応援に駆けつけたファンを沸かせました。生田目投手の負傷直後、三塁の奈良間選手に声をかけ、奈良間はマウンド近くに伏見捕手を座らせ投球練習を開始。スタンドから拍手が湧き上がりました。もし玉井投手にアクシデントがあれば、という対策でした。指揮官は「コントロールが良いから、7種類の球を持っている。(昨季の掛け声から)お疲れさまどぇ~す投法が、見られなくて良かったです」と話しました。奈良間選手も「(もし登板していたら)小学生以来でした。出番がなくて良かった」とコメント。首位に喰らいついたこの粘りを、次は勝利につなげたいとしています。【永野高輔】