井上尚弥、8回TKOで11連続KO勝ち 通算KO数も世界新 ダウンも鼻血も「楽しかった」

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【ラスベガス(米ネバダ州)4日(日本時間5日)=藤中栄二】4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(32=大橋)が聖地ラスベガスで11連続KO勝利を挙げ、77年ぶりに世界新記録を更新した。WBA世界同級1位ラモン・カルデナス(29=米国)の挑戦を受け、8回TKO勝ちした。4本のベルトの防衛(WBAスーパー4度目、WBC5度目、IBF4度目、、WBO5度目)に成功。「褐色の爆撃機」と呼ばれた元世界ヘビー級王者ジョー・ルイス(米国)が1948年6月にマークした世界戦通算KO記録(22KO)を抜き、約77年ぶりに世界新記録を樹立した。自身のプロデビュー30連勝という区切り勝利でもあった。4団体統一王者としての4度防衛成功は、現4団体統一スーパーミドル級王者サウル・アルバレス(メキシコ)と並ぶ歴代トップタイ記録となる。近年の伝統とも言える数々のビッグマッチが開催されてきたシンコ・デ・マヨ(メキシコ国民の祝日)ウイークの大トリとして勝利。過去には元世界6階級制覇王者となるオスカー・デラホーヤ(米国)やマニー・パッキャオ(フィリピン)、50戦無敗のまま現役引退した元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)、アルバレスらと続いたバトンを、井上がきっちりと勝利で受け継いだ。

4月23日にロサンゼルスで公開練習した時から数多くのメディアが集結した。同日にラスベガスにプライベートジェットで移動して現地調整を開始、練習先のトップランクジムにはサインを求めるファンが殺到し、5月1日のグランドアライバルと呼ばれる到着イベントには約300人、同3日の公開計量には200人を超えるファンが詰め掛けるフィーバーぶりだった。 井上は「いつも通りの試合を。あえてラスベガスだからこういう試合をするではなく、求められているのは日本でやっているパフォーマンス。いつも通り、平常心で戦う。気負いなく、ここは日本だという気持ちで」とリラックスした表情で試合当日を迎えていた。カルデナス戦をクリアしたことで、9月にはWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)との団体内統一戦に臨むことが確実だ。さらに12月にはサウジアラビア・リヤドでの世界戦も計画。1階級上となるWBA世界フェザー級王者ニック・ボール(28=英国)が候補として浮上している。さらに来春にはWBC世界バンタム級王者中谷潤人(27=M・T)との日本人対決も約束されており、今後の井上尚弥にも目が離せない。◆井上尚弥 みなさん、今日の試合をみていただければ僕が殴り合いが好きなことが分かっていただけだと思う。すごく楽しかったです。(2回にダウンを喫したが)非常に驚きましたが、冷静に組み立て直すことができました。3回からは絶対にもらわないようにと思った。オッズはかなりの差があった。相手は必死に倒しににくる。ボクシングは甘くないと思った【ラウンドVTR】1回ともに右構えのオーソドックススタイル。開始30秒はともにパンチは繰り出さず。30秒すぎに井上が左ジャブでカルデナスを突き放す。井上は左ジャブを突きながら慎重に様子を見る。カルデナスは高いガードでブロックに必死。井上はかまわずガードの上からジャブをたたきつける。終了間際に井上の右ストレートが浅くヒット【日刊採点】井上10-92回井上が強い左ジャブで突き放す。20秒すぎにボディーブローから右フックを当てる。カルデナスも接近して左右アッパーを繰り出す。1分すぎにカルデナスがパンチを繰り出して前に出る。井上のワンツーもヒット。カルデナスもボディーから右を当てて打ち合いに出る。残り10秒、カルディナスの左フックを浴びて井上がダウン【日刊採点】カルデナス10-83回井上が左ジャブを突いて突き放す。カルデナスはガードをかためて強打を狙う。カルデナスの左フックは大きく空を切る。2分すぎに井上のワンツーが2連発でヒット。カルデナスの大振りの狙い打ちを井上はことごとくかわす。【日刊採点】井上10-94回井上がガードをかためながらワンツーから左ジャブでペースを握る。カルデナスもワンツーを返す。中盤は井上は徹底して左ジャブを突く。2分すぎに井上の左ボディーブロがヒット、終盤は井上がワンツーからの連打でガルデナスをコーナーに追い詰めてラッシュ。【日刊採点】井上10-95回開始からジャブの付き合い。井上の左ボディーブローが決まる。中盤も井上が左ジャブでペース掌握。カルデナスはガードに追われて手数が少ない。カルデナスはカウンター狙いか。残り30秒、井上のワンツーから左ボディーブローがヒット。終了間際に井上のワンツーが浅く決まる【日刊採点】井上10-96回開始からジャブの付き合い。30秒すぎに井上の左ボディーブローでカルデナスが後退。1歩半すぎに井上の右ストレートがヒットしてカルデナスが後退。。井上がカルデナスをロープにつめて猛ラッシュ。カルデナスは何とか耐えて終了ゴング【日刊採点】井上10-97回井上が左ボディーブローでカルデナスをロープにつめて連打。50秒すぎに井上の右ストレートを受けたカルデナスが後退。中盤は井上が一方的に連打で迫るが、カルデナスも反撃して井上をロープに詰めて連打。残り30秒、井上の右ストレートの連打でカルデナスがダウン。【日刊採点】井上10-88回開始早々、井上がワンツーを決める。カルデナスは大振りの左右フックを狙うも空を切る。30秒すぎ井上の連打にカルデナスがコーナーに後退。井上がラッシュしたことろでレフェリーが試合を止めた。井上のTKO勝利◆井上尚弥(いのうえ・なおや)1993年(平5)4月10日、神奈川・座間市生まれ。父真吾氏の影響で小学1年から競技開始。高校時代にアマ7冠。12年7月にプロ転向。14年6月、6戦目でWBC世界ライトフライ級王座を奪取。14年12月、8戦目でWBO世界スーパーフライ級王座を獲得し2階級制覇。18年5月、WBA世界バンタム級王座を獲得し3階級制覇。19年5月にIBF同級王座、同年11月、WBSS同級制覇。22年12月、史上9人目の4団体統一王者に。23年7月にWBC、WBO世界スーパーバンタム級王座を獲得して4階級制覇。同12月に史上2人目となる2階級での4団体統一に成功。身長164・5センチの右ボクサーファイター。【ライブ速報】井上尚弥、5・5防衛戦 カルデナスと米ラスベガスで激突

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