井上尚弥「戦友」ドネアの激励に気持ち高ぶる「自信になる」専属シェフ海外初帯同の効果も絶大

【ラスベガス(米ネバダ州)3日(日本時間4日)=藤中栄二】ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(32=大橋)が「戦友」のエールを胸に3度目のベガス決戦に臨む。4日(同5日)、当地のT-モバイルアリーナでWBA世界同級1位ラモン・カルデナス(29=米国)との防衛戦を控え、計量に出席。両者そろって約55・2キロでパスした。過去2度対戦した元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(30=フィリピン)からの激励に気持ちを高ぶらせ、大舞台に立つ。 ◇ ◇ ◇4本の世界ベルトを持ち、米老舗専門誌ザ・リング王座ベルトを体に巻いた井上は大歓声を受けた。ビッグマッチが開催されてきたMGMグランドに設置された計量会場。ファンや関係者、マスコミでほぼ満員状態。約12秒間、フェースオフ(にらみ合い)を展開した井上は「1つのイベントとして日本とはまったく別ものですね」と冷静。カルデナスの肉体、雰囲気を確認し「非常に落ち着いている。よく仕上がっている」と気持ちを引き締めた。会場設置の特設スタジオで、ゲストとして招かれた元5階級制覇王者ドネアと22年6月以来、約2年11カ月ぶりの再会を果たした。19年11月、22年6月と2度戦った「戦友」から「試合ごとに良くなっている。彼のキャリアがどこまで伸びるのか楽しみ」とエールを送られた。井上は「ノニトとの試合がキャリアの中で1つの分岐点だった。ありがとう。ボクシングを善くも悪くも知る選手なので(エールは)自信になる。久びさでうれしかった」と大きな刺激になった。横浜市内にある焼き肉店のオーナーシェフに海外初帯同を依頼した効果も絶大だった。専属シェフとして食事提供を受けた井上は「すごく助かりました。(12月想定の)サウジアラビアの試合時の予行演習というか、そういう意味でも来てもらった。それを含めて今回、来てもらったのは良かった」と手応えを示した。20年10月、21年6月に続き、3度目のベガス決戦。収容2万人収容のT-モバイルアリーナのメインを務める。「あえてラスベガスだからこういう試合をするではなく、日本でやっているパフォーマンスを求められている。いつも通り、平常心で戦う。気負いなく、ここは日本だという気持ちで。見せてきたパフォーマンスをお届けします」熱い心とクールな頭脳で再びラスベガスを驚かせるKO劇をみせる。<井上-ドネア戦VTR>◆第1戦(19年11月7日=さいたまスーパーアリーナ)井上は2回、ドネアの左フックで右眼窩底骨折。11回に右アッパーから左ボディーでダウンを奪取。3-0判定勝ち。◆第2戦(22年6月27日=さいたまスーパーアリーーナ)1回、ドネアの左フックを回避した井上は終盤に右ストレートでダウンを先制。2回、左フックでぐらつかせて猛攻し、左フックでドネアからダウンを追加。1分24秒、レフェリーストップのTKO勝ち。井上尚弥、5・5防衛戦 カルデナスと米ラスベガスで激突/試合当日ライブ速報します