井上尚弥、米国での「中盤KO」でファンを熱狂させる KO数で世界の頂点に挑む 5日に防衛戦

【ラスベガス(米ネバダ州)2日(日本時間3日)=藤中栄二】ボクシングの4団体統一スーパーバンタム級王者、井上尚弥選手(32=大橋)は、ラスベガスの熱狂的なファンを満足させるべく、「中盤KO」によって彼らの期待に応える強い意気込みを示しました。4日(日本時間5日)、ラスベガスのT-モバイルアリーナでWBA世界ランキング1位のラモン・カルデナス選手(29=米国)との防衛戦を控え、公式記者会見に出席しました。ボクシングファンが集まるこの地で、彼らを魅了するKOパフォーマンスを見せる決意です。
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井上選手が現地のファンを驚かせたいという思いは、彼のサングラス姿と共に披露されたMGMグランドでの会見で溢れていました。
井上 しっかりとしたボクシングを見せた上で、中盤のKOがベストな試合の終わらせ方だと考えています。過去の試合を振り返っても、どの相手に対してもKOを狙う姿勢は変わりません。今回は勝利のためにポイントを積み重ねる試合ではなく、しっかりとKOを狙う試合にしたいと思っています。
ラスベガスの街には、井上対カルデナス戦の広告が巨大ビジョンで次々と流され、多くのファンがサインを求めに集まりました。ファンに向けて、特別なKO劇を見せたいという気持ちは増すばかりです。「期待が大きく感じられるので、モチベーションも非常に高まっています。それに応える試合を見せたい」と語りました。
カルデナスをKOで倒せば、世界戦通算KO勝利数(22KO)で並ぶジョー・ルイス(元WBA世界ヘビー級)を抜き、世界のトップに立つことになります。ルイスは「褐色の爆撃機」として有名ですが、その記録を聖地で更新することになる井上選手は、「記録のためにKOするわけではありません。この試合は自分の中でKOで締めくくりたい試合です。記録のためではなく、自分自身のためにそうした試合を組み立てたい」と強調しています。
試合会場となる2万人収容のT-モバイルアリーナを外からチェックした井上選手。「大きいですけど、東京ドームも経験しているので、経験値としては十分です」と平常心を保ちました。米メディアから「大番狂わせの危険性はどうですか?」と質問されると、自信に満ちた表情で、「これまでで一番、試合の準備をしてきたので心配はありません」と答えました。
自信をみなぎらせた表情で、試合に挑む準備を整えていました。