【広島】奪三振0で完封の床田寛樹「途中からやべー、取ってないなと」新井監督は「床田さまさま」

広島東洋カープの床田寛樹投手(30歳)が、素晴らしいピッチングでチームの8連敗を阻止しました。中日ドラゴンズの打線をわずか3安打に抑え、今シーズン2度目の完封を達成。奪三振ゼロでの無失点勝利は、2013年の西武ライオンズの牧田投手以来で、広島では1982年の山根投手以来43年ぶりの記録であり、チームを苦境から救いました。
9回には投球数89で、2アウトから代打細川選手を歩かせ、無四球完封は逃しましたが、レアな記録をともに手に入れました。奪三振ゼロでの完封勝利について床田選手は、「(過去に)ないですね。アマチュア時代には、完封時はだいたい10個以上は奪っていたので。途中から『やべー、取ってないな』とは思ってました。でも変に三振を狙うと崩れると思ったので」と語り、試合後には照れ笑いを浮かべていました。
負ければ4年ぶりの8連敗となる試合で、打撃面でも貢献しました。3回無死一塁の場面では、8番矢野選手に犠打を指示。そして9番打者の床田は「9人目の野手だと思っているので」という新井監督の信頼に応え、二塁ゴロで二塁走者を三塁進塁させ、先制点を導く進塁打となりました。
投球でも二塁すら踏ませず、7回では唯一の先頭打者を出しましたが、1死一塁の場面で、昨季2本塁打を打たれたカリステ選手を遊撃ゴロ併殺で切り抜け、セットアッパーのハーン選手を欠いた試合を1人で乗り切り3勝目を挙げました。新井監督から「床田さまさま」と労われた床田選手は、仲間への感謝を忘れませんでした。「(連敗は)止めないといけないと思っていました。初回先頭の(岡林選手の打球を好捕した)堂林さんのプレーでスッと試合に入れました」と語り、チーム一丸での連敗脱出劇を強調しました。【堀まどか】
▼床田投手が奪三振ゼロで完封勝利を収めた。奪三振ゼロの完封勝利は、2013年4月23日のロッテ戦での西武の牧田投手以来で、セ・リーグでは1989年9月4日の巨人戦でのヤクルトの矢野投手以来、36年ぶりのことです。広島では1959年5月5日の国鉄戦での備前投手、1961年5月6日の中日戦での弘瀬投手、1980年5月25日の大洋戦での北別府投手、1982年6月16日の中日戦での山根投手に次ぎ、43年ぶり5度目の記録です。