菅野智之、日本式とメジャー式を融合した投球でジャッジを三振に「4点差で開き直った」

【ボルティモア(米メリーランド州)28日(日本時間29日)=久保賢吾】オリオールズのピッチャー、菅野智之選手(35)が、ヤンキース戦で今季初めて先発を務め、5回を5安打無失点に抑え、シーズン3勝目を飾りました。自身メジャー最多となる8奪三振も記録しました。特にジャッジとの3打席目での対戦では、日本式とメジャー式を組み合わせた投球で、バットから空を切らせました。ア・リーグ東地区のライバル、ヤンキースの攻撃を封じ、チームの連敗を3で止めることができました。
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4点リードの5回無死一塁、菅野が向き合ったのはヤンキースのジャッジ。2ボールからの3球目にスプリットを選び、ストライクゾーンから内角低めに沈めて空振りを取りました。続いて4球目はスライダーで空振り、さらには速球でファウルを打たせ、その後再びスプリットで空振りを奪いました。
「四球を出すのが一番よくないし、仮に本塁打を打たれてもランナーなしの状態から始める方が良いと。4点差だったので開き直りました」
メジャー式と日本式を融合させた「SUGANO流」を体現しました。巨人時代からスライダーは決め球であり、逆境でも信頼できる球種でしたが、アメリカではスプリットやカーブの比率が増えました。頭と体を順応させ、ボールの軌道も工夫しながら調整しました。
最多8奪三振のうち6つをスプリットで奪い、そのプロセスにも明確なコンセプトが見えました。前回の登板ではスプリットが全体の31%とトップで、直球は12%で4位タイでしたが、今回の登板では直球が24%で2番目、トップはスライダーの27%でした。原点の直球とスライダーでカウントを稼ぎ、打者を追い込む形を取りました。
同地区首位のヤンキース相手に3勝目を挙げ、チームの連敗を3で止めました。注目のジャッジとの対戦は3打数2安打1三振。「スプリングトレーニングでの対戦で四球を出し、ブーイングされました。今回はブーイングされないように、真正面から勝負しました」。試合後のインタビューでは、“緩急”の効いたコメントで現地メディアの笑いを誘いました。