【美浦便り】人形で調教された馬がデビュー!加藤士師「素質は悪くない馬ですよ」

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「メジャーアピールという馬について教えてください」。今回デビューするのは3歳牡馬で、父はダイワメジャーです。兄は2019年の新潟2歳ステークスで2着になったペールエール。母系には、2002年のフランスG2で勝利を収めたクリテリヨムドメゾンラフィットやG3エクリプス賞を制したジンジベリン、2022年のドイツG2の1000ギニーを制したチョペなど、注目の血統です。加藤士津八調教師(40)が語るには「今までデビューが遅れていましたが、素質は悪くありません」とのこと。そしてその遅れた理由が少し驚きです。「実は人形を使って調教していたんです」との驚きの声が。

加藤師曰く、「この馬は気難しくて人を振り落としてしまうことがありました。そのため、初めの馴致や育成の段階で、人間に慣れさせるために牧場で人形を背中に乗せて訓練していました。私もこんな方法は初めて聞きました」と、大変ユニークな訓練方法が取られていたそうです。

実際に使用された人形の写真を見せていただきました。このような方法があるとは驚きです。レスリングや格闘技用のダミー人形が使われていたとのこと。何度もこの馬と戦ってくたびれた様子が伺えます。加藤師も「見に行くたびに人形がボロボロになっていて心配していました。実際に騎乗した人も何人も振り落とされています」と振り返ります。いったい何度人形が代わりになったのか、お疲れさまでした。

美浦トレセンに入厩してからも気難しさは続いていたようですが、「牧場や厩舎スタッフが本当によく頑張ってくれました。気性の改善も少しずつ進んでいて、デビューに向けて確実に良くなっています。血統も素晴らしいので、今後楽しみです。精神面の変化も期待しており、こうした変化のある馬は、いずれ走るのではないか」と操縦性も向上し、期待されています。

デビューは今週27日(日)、東京競馬場の第5レース芝1800メートルです。加藤師は「この距離で試せるのは良いと思います。距離を短くすることは後からでもできます。実戦でどんな競馬ができるか、いい内容で終えられれば、牧場の方々の努力も報われると思います」と語ります。非常に期待のかかるデビュー戦となりそうです。【舟元祐二】

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